A. しっかり食事からたんぱく質を摂れている方には、プロテインは必ずしも必要ではありません。ただし、生活スタイルや体調によっては、栄養補給をサポートできる場合もあります。
この記事では、診断形式で「自分にプロテインが必要かどうか」や「ソイ・ホエイのどちらが合っているか」を詳しく解説していきます。
はじめに
最近ではスーパーやドラックストアなどで種類豊富なプロテインが販売されていますね。
どれを買えばいいのか迷ってしまう事はないでしょうか。
栄養相談でも「種類が多すぎて選べない」や「そもそも自分に必要なのかわからない」といった質問をいただくことも多いです。
一方で、プロテインは「誰にでも必要なもの」というわけではありません。
食事から十分にたんぱく質を摂れている場合は、必ずしも取り入れる必要はありません。
しかし、生活スタイルや体調によっては、プロテインを活用することで栄養補給をサポートできる場合もあります。
この記事では、プロテインの基本的な役割や種類の違いを分かりやすく解説するとともに、自分にプロテインが必要かどうかをチェックできる診断もご用意しました。
ソイプロテインとホエイプロテインのどちらが合っているかも確認できる内容になっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
プロテインは血糖値に影響する?たんぱく質の意外な役割

プロテインは、たんぱく質を効率よく補える栄養補助食品です。
私たちの体は、筋肉や血液、酵素、ホルモンなど、さまざまな材料をたんぱく質から作っています。そのため、たんぱく質が不足すると、筋力の低下や代謝の低下につながることがあります。
血糖値を下げる働きを持つホルモン「インスリン」も、実はたんぱく質から作られています。
血糖を安定させるためにも、たんぱく質をしっかり摂ることはとても大切です。
さらに、食事にたんぱく質を取り入れると消化吸収がゆるやかになり、食後の血糖値の急上昇を抑えやすくなることがわかっています。
プロテインが必要な人はこんな方
⚫︎食事量が少ない高齢者の方
加齢とともに、筋肉を合成する力は低下していきます。そのため、同じ量のたんぱく質を摂っても、若い頃と比べて筋肉が作られにくくなります。
さらに高齢になるほど、筋肉を維持するために必要なたんぱく質量は増える傾向があります。筋肉量が減ると血糖を処理する力も弱まりやすくなるため、高齢者にとってたんぱく質の補給はとても重要です。
65歳以上の糖尿病の方では、1日60g程度以上のたんぱく質摂取が目安とされる場合もあります。食事だけで不足する場合には、プロテインを活用する方法も選択肢のひとつです。
筋肉量を守ることは、血糖管理にもつながってくるのです。
⚫︎毎日しっかり運動している人
ウォーキングや筋力トレーニングなど、日常的に運動をしている方は、筋肉の修復や合成のために通常より多くのたんぱく質が必要になります。
必要量は年齢や体格、活動量によって異なりますが、食事だけで十分な量を摂るのが難しい場合もあります。
そのような場合にプロテインを利用すると、効率よくたんぱく質を補うことができ、筋肉量の維持や増加につながります。
運動習慣がある人ほど、たんぱく質補給がパフォーマンス維持に大切です。
⚫︎朝食を食べる時間がない人・食べる習慣がない人
朝食を抜くと次の食事で血糖値が上がりやすくなり、血糖コントロールに影響が出やすくなります。こうした血糖値の急上昇は「血糖値スパイク」と呼ばれ、動脈硬化などのリスクに関係する可能性も指摘されています。
そのため、朝は少しでもいいので何かを口にすることが大切です。
なかでも、朝にたんぱく質を摂ると何も摂らなかった場合と比べて、次の食事による血糖値の上昇がゆるやかになる可能性が報告されています。
朝食を食べる時間がない男性会社員の方などに、プロテインを1杯取り入れる方法を実際の栄養相談でも提案することがあります。
プロテインを取り入れるときに注意したいポイント

● 糖質量の少ないプロテインを選ぶ
市販のプロテインの中には、飲みやすさを重視して糖質が多く含まれている商品もあります。血糖値が気になる方は、無糖タイプや低糖質タイプを選ぶようにしましょう。
また、毎日継続して飲むことを考えると、人工甘味料や添加物の量にも注目して選ぶことが大切です。必ずしも完全に避ける必要はありませんが、摂取頻度を考慮しながら選ぶと安心です。
● 飲みすぎに注意する
プロテインは栄養補助食品のため、必要以上に摂るとカロリーオーバーにつながる可能性もあります。
また、たんぱく質を過剰に摂取すると、腎臓に負担がかかることもあるため注意が必要です。特に腎機能に不安がある方は、医師や管理栄養士に相談することをおすすめします。
基本的には「食事で不足する分を補う」という意識で取り入れることが大切です。運動習慣がない方の場合は、1日1杯程度を目安にするとよいですね。
プロテインの種類と選び方

市販されているプロテインにはさまざまな種類がありますが、代表的なものに「ソイプロテイン」と「ホエイプロテイン」があります。それぞれ特徴が異なり、目的や生活スタイルによって向いているタイプが変わります。
● ソイプロテイン
ソイプロテインは、大豆を原料とした植物性たんぱく質です。
ソイプロテインは消化吸収が比較的ゆるやかで、体への負担が少なく、日常生活に取り入れやすい特徴があります。
また、腹持ちがよい傾向があり、間食の置き換えとして利用されることもあります。
・高齢で食事量が少ない方
・運動習慣があまりない方
・日常的なたんぱく質補給をしたい方
このような方には向いているプロテインになります。
イソフラボンについて
ソイプロテインには、大豆由来の「イソフラボン」が含まれています。イソフラボンは、骨の健康維持や更年期症状の緩和などに関係するとされる成分です。
一方で、イソフラボンは過剰に摂取するとホルモンバランスに影響を及ぼす可能性があるため、摂取量には注意が必要です。
プロテイン商品によってイソフラボンの含有量は異なるため、購入前に成分表示を確認しましょう。また、納豆・豆腐・豆乳などの大豆製品を日常的に多く摂っている方は、食事全体での摂取量を意識することも大切です。
大豆製品をよく食べている方がソイプロテインを取り入れたい場合は、一度管理栄養士などの専門職に相談すると安心です。
● ホエイプロテイン
ホエイプロテインは牛乳を原料とした動物性たんぱく質で、筋肉の合成を促す働きがある「BCAA(分岐鎖アミノ酸)」が豊富に含まれています。
吸収が比較的早く、筋肉の修復や合成に必要なアミノ酸を効率よく補給できるため、運動後の栄養補給として利用されることが多いプロテインです。
・筋力トレーニングをしている方
・運動習慣がある方
・筋肉量を増やしたい方
このような方には向いているプロテインになります。
あなたはどのタイプ?プロテイン選び簡単診断
次の質問で、当てはまる項目にチェックをしてみましょう。
【質問1】食事について
□ 食事量が少ない
□ たんぱく質を意識して食べていない
□ 朝食を抜くことが多い
□ 忙しくて食事が不規則になりやすい
【質問2】運動習慣について
□ 筋トレをしている
□ 定期的に運動している
□ 運動後の疲労回復を意識したい
□ 筋肉量を増やしたい
【質問3】体の変化について
□ 年齢とともに筋力低下が気になる
□ 体重や筋肉量を維持したい
□ 食事量が減ってきた
□ 更年期や骨の健康が気になる
【質問4】大豆製品の摂取状況
□ 納豆・豆腐・豆乳などをあまり食べない
□ 植物性たんぱく質を取り入れたい
✔診断結果
ソイプロテイン向きタイプ
【目安】
・質問1または質問3が多い
・質問4に当てはまる
日常の食事で不足しがちなたんぱく質を補う方法として、プロテインを取り入れるのがおすすめです。
ソイプロテインは吸収が比較的ゆるやかで腹持ちがよいため、間食の代替や日常の栄養補助に向いています。更年期や骨の健康を意識している方にも取り入れやすい特徴があります。
※ 大豆製品を日常的に多く食べている場合は、イソフラボンの摂取量に注意しながら取り入れましょう。
ホエイプロテイン向きタイプ
【目安】
・質問2に当てはまる項目が多い
あなたは、筋肉の修復や合成を目的とした栄養補給が必要なタイプです。
ホエイプロテインは吸収が比較的早く、運動後のたんぱく質補給に適しています。筋肉量の維持や運動パフォーマンスを意識している方に向いています。
まずは食事改善タイプ
【目安】
・質問1のみ当てはまる
・運動習慣が少ない
・食事バランスに偏りがある
このタイプの方は、まず日常の食事でたんぱく質を摂る習慣を整えることが大切です。
プロテインは便利な食品ですが、主食・主菜・副菜をそろえた食事が基本となります。食事で不足する場合に、補助的に取り入れるのがおすすめです。
✔迷った場合
生活スタイルや健康状態によって、自分に合ったプロテインは変わってきます。
迷う場合は、医師や管理栄養士などに相談しながら取り入れると安心です。
最後に
プロテインは、すべての人に必要なものではありませんが、生活スタイルや体の状態によっては、栄養補給をサポートしてくれる便利な選択肢になります。
大切なのは、自分の体や食生活に合わせて取り入れること。
この記事が、プロテインを選ぶ際の参考になればうれしいです。
■参考文献・出典
・日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン」
・厚生労働省 e-ヘルスネット
(https://kennet.mhlw.go.jp/)
・日本人の食事摂取基準(2025年版)
(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html)
・食品安全委員会「大豆イソフラボンの安全性評価」
(https://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya20060223003)
・糖尿病ネットワーク
(https://dm-net.co.jp/)

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