Q. お医者さんからまずは食事と運動と言われました。両方を同時にやった方がいいんですか?

都会をランニングする女性の後ろ姿 運動

A. 最初から同時に始める必要はありません。まずは食事から整え、少し慣れてきたタイミングで運動を取り入れるのがおすすめです

糖尿病の初期は食事療法がカギ

糖尿病と診断されると、多くの方が「すぐに薬を飲まないといけないの?」と不安になります。
しかし実際には、診断されてすぐに薬が始まるケースはそれほど多くありません。

HbA1cの数値が非常に高い場合を除いて、医師は糖尿病と診断してから1〜3ヶ月ほどの間、服薬なしでどのくらい血糖値が改善するかを確認します。

それには理由があります。
診断初期の頃は体のインスリンの働きがまだある程度残っていることが多く、食事を整えるだけで血糖値が大きく下がる人が少なくないからです。

いわばこの期間は、「この人は、薬なしでどれくらい下がるかな?」と医師が様子を見ている期間とも言えます。

もしこの1〜3ヶ月で血糖値やHbA1cの改善が見られなければ、「では、今日から服薬を始めましょう」と比較的あっさり薬が処方されることもあります。

だからこそ、この最初の期間が重要なのです。

「じゃあ、食事も運動も両方やった方がいいんじゃない?」と多くの方がこう思いますよね。

たしかに理論的にはその通りです。もともと運動習慣がある人であれば、今までの運動を続けながら食事を整えればそれでOKです。

しかし、実際の外来を見ていると、もともと運動習慣がない方が圧倒的に多いのが現実です。

その状態で「今日から運動もしっかりして、食事もきちんと守ってください」と言われると、かなりハードルが高くなります。

また、運動を頑張るとお腹が空きやすくなりますよね?

その結果、「運動したから今日はいいかな」と食事量が増えてしまい、消費したカロリー以上に食べてしまうケースがよくあります。

そうなると体重も血糖値も思ったほど下がらず、「こんなに頑張ってるのに下がらない…」とモチベーションが落ちてしまうことも少なくありません。

そこでおすすめなのが、最初の1〜2か月は食事に集中するというやり方です。

血糖値に一番大きな影響を与えるのは、毎日の食事です。
運動は確かに大切ですが、1日30分歩くよりも、3食の内容を整えるほうが血糖値への影響は大きいことが多いのです。

まずは、

  • 主食・主菜・副菜のバランス
  • 野菜を先に食べる食べ方
  • 間食や甘い飲み物の見直し

といった基本的なところから整えていき、
「糖尿病の食事」に体を慣らしていくことが大切です

この土台ができると血糖値が安定しやすくなり、体も軽くなってきて、「少し動いてみようかな」という気持ちも出てきます。

そのタイミングで、次のステップとして運動を取り入れるのがベストです。

いきなりハードな運動をする必要はありません。ウォーキングや軽い筋トレなど、無理なく続けられるもので十分です。

食事の土台ができている状態で運動を始めると、

  • 血糖値が下がりやすい
  • 体重も落ちやすい
  • 効果を実感しやすい

という良い循環が生まれます。

「まずは食事、慣れてきたら運動」

「まずは食事、その後慣れてきたら運動」この順番でステップを踏むのが、実は一番の近道です。

無理をして両方同時に始めて挫折するより、できることを確実に続けるほうが、血糖値は確実に良くなります。

焦らなくて大丈夫。自分のペースで、まずは食事から整えていきましょう(^^)/


■参考文献・出典
・糖尿病ネットワーク(https://dm-net.co.jp/
・厚生労働省 e-ヘルスネット(https://kennet.mhlw.go.jp/
・日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン」
・文部科学省「日本食品標準成分表 2020年版(八訂)」

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