Q. 無調整豆乳vs調整豆乳、血糖値を上げやすいのはどっち?

テーブルに調製豆乳と無調整豆乳が比較するように並んでいる 豆乳

A.どちらを選んでも大丈夫です。無調整豆乳と調整豆乳は実は糖質量に大きな差はないため、味や飲みやすさで選んでも問題ありません。2つの栄養成分を比べてみると、意外な事実が見えてきます。

はじめに

外のテーブルに置かれた豆乳のパックと瓶に入った豆乳

栄養相談をしていると、患者さんからよくこんな質問をいただきます。
「無調整豆乳と調整豆乳、どっちを飲めばいいんですか?」「無調整豆乳って体に良さそうだけど、正直飲みにくくて……」。
豆乳は健康的なイメージが強い一方で、“無調整のほうが体に良い”“調整豆乳は甘いから血糖値が上がりやすい”といったイメージを持っている方も少なくありません。

そのため、「本当は無調整を飲んだほうがいいのでは?」と悩んでしまう方も多いようです。
しかし、私はこの質問を受けたとき、「どちらでもお好きな方で大丈夫ですよ」といつもお伝えしています。

本記事では、無調整豆乳と調整豆乳の違いを栄養成分表をもとに糖質量を比較しながら、管理栄養士の視点でわかりやすく解説していきます。
「結局どちらを選べばいいの?」と迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

無調整豆乳と調整豆乳の栄養成分を比較

項目(100gあたり)無調整豆乳調整豆乳
エネルギー約43kcal約61kcal
たんぱく質約3.6g約3.2g
脂質約2.8g約3.6g
炭水化物約2.3g約4.8g
糖質約2.3g(≒総炭水化物)約3.7g
└ 食物繊維約0g約1.1g
カルシウム約15mg約31mg

※数値は「日本食品標準成分表 八訂 増補2023年」を参考にした一般的な目安です。製品により多少前後します。

日本食品標準成分表八訂 増補2023の標準値で見ると、無調整と調整豆乳の糖質差はそこまで大きくなく、一般的には100gあたり1g〜2g程度になります。実際にはメーカーによる味付けや低糖質タイプの影響で、売り場の製品ではさらに差が縮まっている場合も多いです。

無調整豆乳と調整豆乳の違いは?

上記の表より、無調整豆乳と調整豆乳の糖質量の差はそれほど大きくないことが’分かりました。
商品にもよりますが、100gあたりで見ると差はわずかで、血糖値への影響も大きな違いが出るケースは少ないと考えられます。

ここからは、両者の特徴や違いを整理していきましょう。

無調整豆乳の特徴

無調整豆乳は、大豆と水を主原料とした、大豆そのものに近い飲み物です。
砂糖や食塩などは加えられておらず、大豆本来の甘味や風味をそのまま味わうことができます。

栄養面では、たんぱく質や大豆イソフラボンなど、大豆由来の栄養素をしっかり摂ることができます。
一方で、大豆特有の風味があるため、「そのまま飲むのは少し苦手…」と感じる方もいるかもしれません。

調整豆乳の特徴

調整豆乳は無調整豆乳をベースに、飲みやすくするために味を調整した豆乳です。
砂糖や植物油脂、食塩が少量加えられているものが一般的で、大豆特有のクセが少なくなっています。

そのまま飲むだけでなく、コーヒーや紅茶との相性もよいので、ソイラテやソイミルクティーなどにして飲むのもおいしいです。

調整豆乳と「豆乳飲料」は別物

以前、外来で栄養相談をしていると「豆乳は体にいいと思って、パック飲料のココア味を飲んでいるんです」というお話を聞いて少しびっくりした経験があります。
「豆乳=体に良い飲み物」というイメージから、味付きの豆乳も同じように思われている方は意外と多いのです。

スーパーやコンビニで販売されているココア味やバナナ味などの豆乳は、無調整豆乳や調整豆乳とは種類が異なる「豆乳飲料」に分類されます。

これらは砂糖が多く使用され、商品によっては200mlあたり10g〜20gの糖質を含むものもあります。
そのため、調整豆乳と比べると糖質量に大きな違いがあり、血糖値への影響も変わってきます。
「豆乳だから体にいい」と思って選んでいると、知らないうちに糖質を多く摂ってしまうこともあるのです。

フレーバー付きの豆乳飲料は別の飲み物として考え、栄養成分表示の「炭水化物(糖質)」を一度確認してから選ぶことをおすすめします。

豆乳の1日の目安量

テーブルに大豆が数十粒と豆乳の入ったコップが1杯ある

豆乳は栄養価の高い飲み物ですが、摂りすぎには注意が必要になります。
その理由のひとつが、大豆に含まれる大豆イソフラボンです。
大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た働きを持つ成分として知られていますが、毎日過剰に摂取すると体への影響が心配されることもあります。

豆乳を日常的に飲む場合は、コップ1杯分(約200ml)程度を目安にするのが一般的とされます。これは食品安全委員会が示している大豆イソフラボンの安全性に関する考え方を参考に、考えられている目安量になります。
健康に良いからと毎日何杯も飲むのではなく、適量を意識して取り入れることが大切です。

また、豆乳以外にも納豆や豆腐、油揚げなどの大豆製品を日常的に食べている方は、その分も含めて「大豆製品全体のバランス」を意識できると安心です。
豆乳はあくまでも、食事を補うひとつの選択肢。
目安量を守って取り入れていきましょう。

まとめ

食品成分表や市販商品の栄養成分を見ても、無調整豆乳と調整豆乳の糖質量の差は100gあたり1g〜2g程度であることがほとんどです。
この程度の差であれば、血糖値に大きな影響を与えるケースは少ないと考えられます。

たとえば、白ごはん一口分の糖質はおよそ6〜7g
それと比べると、豆乳の1〜3gの違いは、かなり小さな差であることがわかります。

そのため、「調整豆乳だから血糖値が上がりやすい」、「無調整豆乳でなければいけない」と、必要以上に神経質になる必要はありません。
どちらの豆乳を選んだとしても大切になるのは、飲む量や飲み方、食事全体のバランスです。
味や飲みやすさも大切にしながら、ご自分に合った豆乳を選んでもらえたら嬉しいです(^^)/


■参考文献・出典
・文部科学省「日本食品標準成分表 2020年版(八訂)」
・文部科学省「日本食品標準成分表 増補2023年版」
・日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン」
・糖尿病ネットワーク
https://dm-net.co.jp/
・厚生労働省 e-ヘルスネット
https://kennet.mhlw.go.jp/

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