A. コーヒーを飲んだ直後に、体の反応として血糖値がわずかに変動することはあります。
ただし、ブラックコーヒー自体は糖質をほとんど含まず、1日3〜4杯程度であれば血糖値への影響を心配する必要はほとんどありません。コーヒーと血糖値の関係について詳しく解説します。
はじめに
ネットで「コーヒー 血糖値」と検索すると、「血糖値に良い」という情報もあれば「血糖値が上がる」という意見も見つかり、「結局どっちなの?」と迷ったことがある方も多いのではないでしょうか。
実際に、患者さんからも「コーヒーは1日に何杯までなら大丈夫ですか?」といった質問をよくいただきます。
コーヒーは、砂糖やミルクを入れなければ糖質をほとんど含まない飲み物とされ、血糖値への影響は少ないと考えられます。
ただし、コーヒーに含まれるカフェインの作用により、飲んだあとに一時的に血糖値が変動することがあるのも事実です。
この記事ではコーヒーと血糖値の関係や、1日にどのくらいを目安にするとよいのかについてわかりやすく整理していきます。
コーヒーを飲むと血糖値が上がることがある理由

コーヒーに含まれるカフェインの影響により、飲んだあとに一時的に血糖値が上昇する(10〜20mg/dL程度)ことがあると報告されています。
カフェインには、体を活動的な状態にする働きがあり、その影響で肝臓に蓄えられている糖を血液中に放出したり、新たに糖をつくり出したりする作用(糖新生・グリコーゲン分解)が高まることが知られています。
その結果、肝臓から糖が放出されたりインスリンの働きが一時的に弱まったりすることで、飲んだ直後に軽度の血糖値上昇が起こると考えられています。
ただし、こうした変化は多くの場合一時的なもので、食事による血糖値上昇とは性質が異なります。しばらくすると自然に元の値へ戻るケースがほとんどです。
一方で、カフェインに対する反応には個人差があります。
血糖値が上がりやすいと感じる方や、動悸・不眠などが気になる方は、量や飲むタイミングに注意しながら、自分の体の反応を確認していくことが大切です。
1日何杯までが目安?

コーヒーは砂糖やミルクを加えなければ糖質をほとんど含まないため、嗜好飲料として1日3〜4杯程度であれば問題になることは少ないと考えられています。
また、空腹時よりも食後に飲むことで血糖値の変動が目立ちにくくなる場合もあります。
コーヒーの香りによるリラックス効果を感じる方も多く、気分転換として取り入れている方もいらっしゃいますね。
飲み過ぎなければ血糖値への影響は限定的であるため、自分に合った量を意識することが大切です。
1日5杯以上は“飲み過ぎ”に注意

一方で、ブラックコーヒーを1日5杯以上、習慣的に飲む場合には注意が必要とされています。
研究ではカフェインを多く摂取することで、一部の薬の作用に影響を与える可能性があることが報告されています。
これは、カフェインが体内の薬物代謝酵素の働きに関与するためと考えられています。
その影響により、
- 一部の経口糖尿病薬
- 血圧の薬
- 心臓に関わる薬
- 睡眠薬
- 精神科領域の薬
などでは薬の効き方が強く出たり、逆に弱まったりする可能性があるとされています。
また、カフェインの摂取量が多くなると、心拍数の増加や眠りにくさ、血圧の変動などを感じる方もいます。
こうした変化が続くと、体への負担につながる場合もあるため注意が必要です。
さらに、カフェインには交感神経を刺激する作用があるため、糖尿病の方では血糖値が上がりやすくなる場面がみられることもあります。
特に、空腹時や睡眠不足が重なっているときは、その影響を感じやすくなることがあります。
このような点から、ブラックコーヒーは「量が増えすぎないこと」が大切です。
1日3〜4杯程度を目安にし、体調や血糖値の変化をみながら取り入れることがコーヒーと上手に付き合うためのポイントになります。
まとめ
コーヒーは血糖値の観点から見ると、次のように整理できます。
- 飲んだ直後は10〜20mg/dL上がることがある
- ブラックコーヒーなら1日3〜4杯程度が目安
- 5杯以上になるとカフェインの摂取量が多くなり、体調や薬の効き方に影響することがある
コーヒーは決して悪者ではありません。
量や飲み方を意識すれば、血糖値を気にする方でも安心して楽しめる嗜好飲料になります。
自分の体調や生活リズムに合わせながら取り入れてみてください(^^)/
■参考文献・出典
・糖尿病ネットワーク(https://dm-net.co.jp/)
・厚生労働省 e-ヘルスネット(https://kennet.mhlw.go.jp/)
・日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン」
・文部科学省「日本食品標準成分表 2020年版(八訂)」

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