Q. 血糖値が上がりにくいヨーグルトはどっち?高タンパクvs脂肪ゼロ

白いウッド調のテーブルに大きな器に入ったプレーンヨーグルト タンパク質

A. たんぱく質の割合が高い高タンパクヨーグルトの方が、食後の血糖値が上がりにくい傾向があります。ただし脂肪ゼロヨーグルトにもメリットがあるため、それぞれの違いを詳しく解説します。

はじめに

栄養相談をしていると、「高タンパクヨーグルトを毎日食べています」や「ヨーグルトは脂肪ゼロを選んで買っています」という方はとても多くいらっしゃいます。
私自身もヨーグルトが好きで、シリアルにかけたり、フルーツと一緒に食べたりします。

実際のところ、高タンパクヨーグルトと脂肪ゼロヨーグルトを比べた場合、どちらの方が血糖値が上がりにくいのでしょうか。

この記事では、100gあたりの栄養成分の違いやヨーグルトと血糖値の関係、それぞれのヨーグルトのメリットを糖尿病専門管理栄養士の視点からわかりやすく解説していきます。

高タンパクヨーグルトvs脂肪ゼロヨーグルト|100gあたりの栄養成分比較

※商品によって差はありますが、一般的な傾向をもとにした比較です。

栄養成分(100g)高タンパクヨーグルト脂肪ゼロヨーグルト
エネルギー約60〜70kcal約40〜45kcal
たんぱく質約9〜10g約3〜4g
脂質約0〜1g0g
炭水化物(糖質)約3〜4g約5〜6g
カルシウム約100mg前後約100mg前後

この表を見ると、

  • 高タンパクヨーグルト:たんぱく質が非常に多い
  • 脂肪ゼロヨーグルト:糖質量がやや高いが、カロリーは低め

という違いが見えてきます。

「脂肪ゼロなのに、なぜ糖質が多いの?」と疑問に感じる方も多いかもしれません。
次でその理由を詳しく見ていきましょう。

脂肪ゼロなのに糖質量が高いのはなぜ?

海を背景にガラスの器に入ったヨーグルトのが2つ

脂肪ゼロヨーグルトの糖質が高く見える理由は、100gという“同じ重さ”で比較していることにあります。
食品の栄養成分表示は、基本的に「100gあたり」で示されています。
ここで重要なのが、「脂質」「たんぱく質」「炭水化物」といった栄養素の構成です。
これらはすべて“重さ”を持っているという点です。

通常のヨーグルトには、乳脂肪、乳糖(糖質)、たんぱく質がバランスよく含まれています。
しかし脂肪ゼロヨーグルトでは、本来含まれている脂肪分がほぼ取り除かれて0になっています。

すると、「脂肪が占めていた重さがなくなり、同じ100gの中で相対的に糖質やたんぱく質の割合が増える」という状態になります。

つまり、脂肪ゼロヨーグルトは糖質が「増えた」わけではなく、脂肪が減ったことで糖質の“割合が高く見えている”というイメージが近いのです。

単純に100gで比較すると、脂肪がなくなった分その重さを他の栄養素(主に糖質)が占めるため、数値として糖質がやや高く表示されやすくなります。

この点を理解しておくと、脂肪ゼロヨーグルトに対する見方も少し変わってきますね。

高タンパクヨーグルトはなぜ血糖値が上がりにくい?

ジムを背景に木のテーブルの上に蓋のあいたカップヨーグルトがある

血糖値の上がりやすさを考えるうえで重要なのが、食品に含まれるたんぱく質の量と質です。

高タンパクヨーグルトは、一般的なヨーグルトと比べて、たんぱく質の割合が非常に高くなっています。

タンパク質が多いと血糖上昇がゆるやかになる理由

たんぱく質は糖質と比べて、以下の特徴があります。

  • 胃から腸へ移動するスピードがゆっくり
  • 消化・吸収に時間がかかる

そのため、糖質単独で摂取した場合とたんぱく質と一緒に摂取した場合では、血糖値の上昇スピードに差が出やすくなります。

高タンパクヨーグルトでは、糖質量自体が控えめである上にたんぱく質が多く含まれているため、
食後の血糖上昇が比較的ゆるやかになりやすいと考えられるのです。

ホエイプロテインとの関係

乳たんぱく質は、カゼインとホエイ(乳清たんぱく)という2種類のタンパク質に大きく分けられます。
高タンパクと脂肪ゼロ、どちらのヨーグルトにもホエイたんぱく質は含まれていますが、高タンパクヨーグルトはタンパク質を濃縮・追加しているため量が多くなっています。
その結果、ホエイたんぱく質の摂取量も自然と増えることになります。

ホエイたんぱく質は、食後にインスリン分泌を穏やかに促したり、食後血糖の急上昇を抑える方向に働くことが報告されており、糖質の吸収スピードを調整する一因になると考えられています

もちろん「血糖値が上がらない」と言い切れるものではありませんが、

  • 糖質量が比較的少ない
  • たんぱく質が多い
  • 乳たんぱくの特性が加わる

これらの点から、高タンパクヨーグルトは血糖値の面を意識する方にとって、日常の食事に取り入れやすい食品といえるでしょう。

脂肪ゼロヨーグルトが向いている人

窓際の木のテーブルの上に蓋のあいたカップヨーグルトがある

一方で、脂肪ゼロヨーグルトにも明確な役割があります。

LDLコレステロール値が高めの方脂質を減らして摂取カロリーを調整したい方にとっては、脂肪ゼロという特徴そのものが大きなメリットになります。

乳製品には、体に必要な栄養素が多く含まれる一方で、飽和脂肪酸も含まれています。
飽和脂肪酸の摂り過ぎは、血中脂質のバランスに影響を与える可能性があるため、医師や管理栄養士から制限を指導されている方も少なくありません。

そのような場合、脂肪ゼロのヨーグルトを選ぶことで調整するというのも賢い工夫と言えるでしょう。

乳製品の目安量にも注意

糖尿病の食事療法では、乳製品の目安量は1日あたり約200g程度とされることが一般的です。
これは、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品をすべて合計した量になります。

脂肪ゼロヨーグルトだからといって、「たくさん食べても大丈夫」というわけではありません。
糖質は含まれているため、摂取量が増えれば血糖値への影響も無視できなくなります。

「脂肪ゼロ=ヘルシーだから安心」ではないという点は、意識しておきたいポイントです。

まとめ

高タンパクヨーグルトと脂肪ゼロヨーグルトは、どちらが良い・悪いと単純に決められるものではありません。

血糖値の観点から見ると、たんぱく質が多く糖質量が比較的少ない高タンパクヨーグルトは、食後血糖の上昇がゆるやかになりやすい傾向があります。

一方で脂肪ゼロヨーグルトは、飽和脂肪酸の摂取を抑えたい方、摂取カロリーを調整したい方にとって重要な選択肢のひとつになります。

ただし、脂肪ゼロであっても糖質は含まれており、摂取量が増えれば血糖値への影響は避けられません。
ご自身の体調や検査値、食事全体のバランスに合わせて取り入れていきましょう。
日々のちょっとした選び方の積み重ねが、血糖コントロールや健康維持につながっていきます(^^)/


■参考文献・出典
・文部科学省「日本食品標準成分表 2020年版(八訂)」
・文部科学省「日本食品標準成分表 増補2023年版」
・日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン」
・糖尿病ネットワーク
https://dm-net.co.jp/
・厚生労働省 e-ヘルスネット
https://kennet.mhlw.go.jp/

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