Q. 砂糖不使用の甘酒なら飲んでも大丈夫?

大きな器の甘酒とお菓子 甘酒

A. 砂糖不使用でも甘酒は血糖値が上がりやすい飲み物の一つです。なぜ砂糖を使用してないのに血糖値を上げてしまうのか、また、知っておくと役立つ甘酒の意外な活用法まで詳しく解説します

はじめに

甘酒のパッケージに「砂糖不使用」と書いてある商品を目にしたことはないですか?

砂糖不使用なら糖質も低く、体に良さそうなイメージですよね?

実際、甘酒はビタミンやアミノ酸が豊富で“飲む点滴”と呼ばれるほど栄養価が高い飲み物ですが、その一方で血糖値が上がりやすいのも事実です。

甘酒が砂糖を入れなくても甘いワケ

甘酒には大きく分けて2種類あります。

  • 米麹甘酒(麹菌でお米を糖化させて作る)
  • 酒粕甘酒(酒粕をお湯で溶き、砂糖を加えて作る)

市販の「砂糖不使用」と書かれたタイプは多くが米麹甘酒になります。

砂糖が入っていないから血糖値に優しいように思えますが、実はそうではありません。

なぜならお米のデンプンが糖化によってブドウ糖に変わっているため、砂糖を添加していなくても甘く糖質量が高くなるのです。

つまり「砂糖不使用=低糖質」ではなく、甘酒の原料自体が高い糖質量を含んでいるのです。

“飲む点滴”と呼ばれる理由は?

甘酒が「飲む点滴」と呼ばれるのは、以下の栄養素がバランスよく含まれているからです。

  • ビタミンB群(疲労回復をサポート)
  • アミノ酸(体の材料になる)
  • オリゴ糖・食物繊維(腸内環境を整える)
  • ブドウ糖(脳のエネルギー源)

ブドウ糖は体にとって大切なエネルギーですが、糖の分子が小さいため体に吸収されるスピードも早く、血糖値を急上昇させやすい糖質でもあります。

「栄養豊富=エネルギー(糖質)も多い」ということなのです。

甘酒と他の飲み物の糖質量・カロリーをチェック!

以下の表は、一般的な市販品(200mlあたり)の目安です。

飲み物の種類糖質量(g)カロリー(kcal)備考
甘酒(米麹タイプ)約30g約120kcal砂糖不使用でも高糖質
コーラ約22g約90kcalゼロコーラなら糖質0
100%オレンジジュース約20g約90kcal果糖が多い
野菜ジュース
(濃縮還元)
約15g約60kcal果汁入りだとさらに
糖質Up
スポーツドリンク約13g約50kcalブドウ糖+電解質
無糖紅茶・緑茶0g0kcal血糖値に影響なし

こうして見ると、甘酒(米麹タイプ)はコーラやジュース以上の糖質を含むことが分かりますね。

糖質制限や血糖管理中の方には注意が必要です。

知っておくと役に立つ!甘酒の活用法

とはいえ、すぐにエネルギー補給ができて血糖値を上げてくれる甘酒を逆手に取った便利な活用法もあります。

それは、

  • インスリンを使用している方の低血糖対策
  • 風邪や体調不良で食欲がなく、食事がとれない日(シックデイ)

このような状況では、即効性のあるエネルギー源として甘酒は非常に有効です。
糖が吸収されやすく液体で飲みやすいという点で、ブドウ糖ゼリーやジュースと並んで使いやすい選択肢になります。

実際に、私の勤務しているクリニックの患者さんも「低血糖対策に常温で持ち運びできる甘酒パックをカバンの中にいつも1つ入れているの」と教えてくれました。外出時に低血糖の兆候があるときや、自己測定で低く出た時に甘酒を飲むのだそうです。

甘酒は、「毎日の健康飲料」ではなく、「必要時の栄養補給ドリンク」として飲むという方法が一番おすすめの活用法です。

血糖値を上げる力も強めなので、必要時の摂取は100mL程度を目安に、やさしく取り入れるようにしましょう(^^)/

甘酒は目的を見極めて利用する

甘酒は栄養価が高く、疲労回復や腸活にも効果的な一方で、糖質量が多く血糖値を上げやすい飲み物です。

  1. 糖質量が多く、血糖変動を起こしやすい → 「健康ドリンク」として飲むと、血糖値スパイクを起こすリスクあり
  2. エネルギー量も高く、日常的に飲むとカロリー過多になりやすい
  3. 通常の食事から同等の栄養は十分摂れる

「健康のために飲む飲み物」というより「必要なときに使う栄養ドリンク」として利用し、常飲はおすすめしません。

低血糖時や体調不良時など、必要な場面で上手に使うことがポイントです。

最後に、患者さんがいつも携帯している便利な甘酒パックをのせておくので、気になる方はよかったらチェックしてみてくださいね!

☆画像クリックで楽天から見ることができます☆

青色パッケージの糀甘酒パック 

こちらは、インスリン使用の患者さんが携帯している甘酒になります。1本(125mL)当たりのエネルギーは91kcal、炭水化物を21g含みます。アルコールは0%、常温保存が可能です。小さいパックなので持ち運びに便利ですね。1本(125ml)で炭水化物≒糖質21gなので、かなり高糖質です!しっかり糖分が補給できるので、低血糖気味のとき、シックデイ時などの利用におすすめ。

ピンクパッケージの糀甘酒パック

こちらは上記の青色の商品と全く同じ成分の甘酒で、パッケージがピンク色の円柱形になった商品です。内容量も125mlで同じです。こちらは開封後に電子レンジで加熱して飲めるので、寒い時期に温かい状態で飲みたい方にはこちらがおすすめです。

糀甘酒パック 黄色いパッケージ

この3つの中で個人的に一番おすすめなのが、こちらの豆乳がブレンドされた甘酒です。1本(125ml)あたりのエネルギー量は76kcal、タンパク質3.5g、炭水化物≒糖質13.2gを含みます。豆乳がブレンドされた分、含まれる糖質量が2/3ほどに減っていて、125ml当たりの糖質量としてはちょうど良いです。ただ、豆乳効果で血糖値が緩やかに上がるので本当に低血糖になった時はこちらは使用できません。低血糖予防、栄養補給として使うのにおすすめ!

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