A. お酒を飲むと一時的に血糖値が下がることがあります。しかし、飲み方によっては逆に上がることもあります。
実はこの質問、「どんな状況で?」「どんなお酒を?」「どんな風に飲むか」によって答えが変わってきます。
アルコールそのものは血糖値を下げる方向に働くことがありますが、飲み方を間違えると逆に上がることも。お酒には2つの側面があるのです。
アルコールで血糖値が下がる理由
お酒を飲むと、アルコールは肝臓で分解されます。
そのとき肝臓はアルコール処理を優先するため、「糖を作る働き(糖新生)」が止まってしまうのです。
本来なら肝臓が一定の糖を血液中に供給していますが、その働きが止まることで血糖が下がりやすくなります。
特に空腹でお酒だけを飲んだ場合や、食事を抜いて飲んだときは低血糖になるリスクが高くなります。
「おつまみ」は大きく影響する
一方で、お酒と一緒に食べるおつまみの内容によっては、血糖値が大きく上がることもあります。
フライドポテト、揚げ物、ポテトサラダ、ピザ、ラーメンなどの高糖質・高脂質メニューを選ぶと、アルコールの影響よりもおつまみの糖質で血糖値が急上昇してしまいます。
「お酒そのもの」よりも「一緒に食べるもの」のほうが血糖値に影響を与えることも多いのです。
お酒の種類による血糖値への影響
お酒の種類によっても、血糖値の上がり方は変わります。
| お酒の種類 | 糖質量の目安 | 血糖値への影響 |
|---|---|---|
| ビール、日本酒、梅酒 | 多い | 上がりやすい |
| ワイン(辛口)、焼酎、 ウイスキー | 少ない | 上がりにくい |
糖質を多く含むお酒は、飲む量によって血糖値を上げやすくなります。
一方、焼酎やウイスキーのように糖質がほとんど含まれないお酒は、血糖値に影響を与えにくいといえます。
お酒を楽しむ時のポイント
糖尿病の経口薬やインスリンを使っている人は、飲酒によって低血糖が起こることがあります。
特に寝る前の飲酒は、夜間低血糖を起こすことがあるため注意が必要です。
☆お酒を飲む時のポイント☆
- 必ず食事と一緒に飲むこと
- 空腹での飲酒は避けること
- 糖質の少ないお酒を選ぶこと
血糖値の上がり方は飲み方次第
お酒は飲み方で、血糖値が一時的に下がることもあれば上がることもあります。
| 状況 | 血糖値への影響 |
|---|---|
| 空腹時にお酒だけ飲む | 一時的に下がる(低血糖リスク) |
| 食事やおつまみと一緒に飲む | 上がる可能性あり |
| 糖質の多いお酒 | 上がりやすい |
お酒を楽しむときは「量」や「タイミング」、「おつまみの内容」を意識することが大切です。
1日のお酒の目安量
| お酒の種類 | 1日の目安量 |
|---|---|
| ビール | 約500 mL(中瓶1本) |
| 日本酒 | 約180 mL(1合) |
| 焼酎(25度) | 約100 mL(0.5合) |
| ウイスキー | 約60 mL(ダブル1杯) |
| ワイン | 約180 mL(グラス2杯) |
| チューハイ(7%) | 約300 mL(缶1本弱) |
この表の目安量は糖尿病患者さんに向けた一般的なお酒の1日量で、純アルコールにして約20g以下となります。
個々の体調や服薬状況によって適量は異なるため、お酒を飲まれる方は主治医と相談してみてくださいね。
お酒と上手に付き合うことで、体重や血糖コントロールを乱すことなく楽しむことができます(^^)/


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